2025年4月23日
このたび、『戦場でワルツを』『FLEE フリー』に続く“ドキュメンタリー・アニメーション映画”の傑作『ペリカン・ブルー(原題)』の国内配給権を取得しましたので、お知らせいたします。
本作は、1990年代のハンガリーで実際に起きた事件を扱った“ドキュメンタリー”でありながら、登場人物たちの個人情報を守るために“アニメーション”として制作されました。こうした手法は、戦争体験の内面性や記憶の曖昧さを視覚化した『戦場でワルツを』(2008年、アリ・フォルマン監督)や、難民としての過去と自身のセクシュアリティについて語った『FLEE フリー』(2021年、ジョナス・ポヘール・ラスムセン監督)などの作品で採用されてきました。本作でも、当時の社会背景や若者たちの葛藤がリアルに描かれており、分断や格差が再び強調されつつある現代において、私たちに多くの示唆を与えてくれる傑作です。
今年3月に開催された「第3回 新潟国際アニメーション映画祭」での上映時には、実録犯罪映画としてのスリリングな展開と、青春映画としての瑞々しさが同居するユニークな語り口で、大いに観客を沸かせ、最後には深い余韻を残しました。マーチでは、同映画祭で上映された韓国発のアニメーション映画『口蹄疫から生きのびた豚(原題)』の国内配給権をすでに取得しております。昨今、世界中で活況を呈する国際アニメーション映画の国内配給を通じて、同ジャンルの日本における地位向上に貢献すべく、邁進してまいります。
本作の邦題や公開日等の詳細につきましては、決まり次第順次発表させていただきます。
【作品概要】
▶︎タイトル:『ペリカン・ブルー(原題)』(原題:Kék Pelikan / 英題:Pelikan Blue)
▶︎監督 :ラースロ・チャキ
▶︎製作年度:2023年
▶︎製作国:ハンガリー
▶︎上映時間:79分
【あらすじ】
1990年代、ハンガリーでは“鉄のカーテン”が崩壊し、西ヨーロッパへの扉が開かれた。しかし、国際列車の切符は高額で、庶民にとって海外旅行は夢のまた夢だった。そんな中、アコス、ペーチャ、ラチの3人の若者は、ペリカン製のブルーカーボン紙を使って国際列車の切符を偽造し、仲間たちに「外の世界」を旅する機会を提供しようと決意する。彼らの活動は次第に広まり、悪名高いプロの偽造師として知られるようになるが、警察の捜査が進むにつれ、自由には大きな代償が伴うことを痛感することになるのだった。